『DVはなおる 被害・加害当事者が語る「傷つけない支援」』日本家族支援センター編 2
「自己の意識や無意識にフォーカスし、それを言語化して相手に伝えること、相手の言動を多様な視点で読み解くこと、などコミュニケーションスキルの向上で、問題発生を予防する、問題解決を目指すことも可能となるだけでなく、関係の改善、多様化、柔軟化をもたらし、パワーコントロールが不要な自由で対等な人間関係、家族関係を構築することが可能となります。」
「一般に「男性は理屈で考え、女性は感情で動く」と言われますが、これは脳の発達における性差が影響しているという側面もあるでしょう。」
↑これは「男性脳・女性脳」の話ですが、「本当に?根拠ある?」と思いました。
「メンズカウンセリングキーワード
・クライアント中心雑談療法
・あらゆる価値観からの自由
・物語の共著者・共犯者
・身体・心・魂
他、進化論・量子論からスピリチュアルまで何でもあり」
「セラピーの流れ
コンサルテーション
クライアント中心療法
精神分析療法
ナラティブセラピー
メンズセラピー」
「グループワークは万能でもないし、有効性が絶対的に高いとも言いませんが、はっきり言えるのは「DV男は変わらない、プログラムは無意味」という言説が誤りである、ということです。」
「異性の感じ方や考え方を、体験を通じた語りとして実際に聞くことで、自分の中の異性像が現実とは違っていた、パートナー個人の異常な特質と考えていたことがジェンダーとして異性に共有されている普通のことだったと理解することもできるようです。ですので、女と男がともに非暴力トレーニングを行う男女のグループも行っています。」
「DVやモラハラなどパートナーの暴力で傷ついた被害者が、加害者のコントロールから逃れて日本家族再生センターに来られます。そんな方は安全な場で、やっとその傷つきや痛みを語ることができます。
その体験や思いを語ることで、回復が始まりますが、過去の体験や痛みは怒りに転ずるし、加害者に対する怒りや憎しみの感情も出てきます。別居や離婚で、安全は確保されたとしても、怒りの感情や突然フラッシュバックする時の恐怖や不安からは逃れられません。」
「子どもにあまり会えなくてつらい思いに囚われている親に、会えた時にはいい面会にできるよう、対人スキルやコミュスキル、何より子どもと楽しめるネタやら子どもと一緒に感動できる感性を磨いてほしいと思います。だから、よその子ともしっかり遊んでほしいし、自分の人生や暮らしを楽しむゆとりも身につけてほしいと願わずにいられません。」
ここまで支援方法の話。
加害者と被害者の直接の関係では既に支配ー被支配の関係ができていて、
感情的にならずに話しを聞くことはできないことが多い。
そこで、自分と直接関係ない被害者、加害者の話を聞くことで、
自分との共通点に気づいたり、
自分のしていた行為の加害性を見ることができたりというのは
あるのだろうと思う。
本人同士が直接関わるのとは違った形で
自分の加害性に向き合うことができる場というのは
加害者変容のキーポイントだと思った。